管理職の基本的な役割は、組織としての業績を高めるため、
1.業務遂行を管理すること
2.業務上の問題を解決したり、これから取り組むべき課題を設定すること
3.メンバーを育成すること
4.メンバーのやる気を引き出し、チームとして向かうべき方向性を示す、すなわち、リーダーシップを発揮すること
これら4つです。
こうした役割を果たすためには、前提として組織の特性を理解する必要がありますし、適切なコミュニケーションを図ることが求められます。
このコーナーでは、管理職としての役割を効果的に果たすために必要な考え方、踏まえておくと有意義と思われる考え方について提示していきます。
内容は少しずつ加えて行きますが、必ずしも体系的、網羅的にはなっていませんことご了承ください。
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管理職の仕事実践術
No.5-8 「褒める」を考える1 ~褒めることは本当に良いことなのか?
リーダーシップや部下との関係性に関する議論の中に、部下は褒めて伸ばすべき、という論調があります。人間は人から褒められることを快く感じます。褒められることが気持ちよいので、次回もまた褒められるようにがんばろうという人々の思考に適応的なリ... -
管理職の仕事実践術
No.5-7 リーダーシップが成立する条件4 ~上司の人間性
上司が高い人間性を持っていればリーダーシップは成立しやすくなります。部下の立場からすれば、仕事ができるけれども常に部下に冷たく厳しく接する上司より、仕事は多少できずとも、明るく、他者への配慮に優れた上司の方に従いたいと思う人が多いので... -
管理職の仕事実践術
No.5-6 リーダーシップが成立する条件3 ~仕事の実力
上司が仕事の出来る人であれば、部下はそのことに一目置くことになりますので、リーダーシップは成立しやすくなるでしょう。では、ここで言う仕事上の実力とは何でしょうか? 職業人には3つの能力が必要だとされています。それは、テクニカルスキル、... -
管理職の仕事実践術
No.5-5 リーダーシップが成立する条件2 ~動機づけ要因が満たされることへの期待
積極的な執務態度を引き出すためには動機づけ要因を部下へ提供していかなければなりません。No.5-2「衛生理論の活用」にて述べたように、動機づけ要因には、「達成」、「承認」、「仕事そのもののおもしろさ」、「責任」、「成長」などといったものがあ... -
管理職の仕事実践術
No.5-4 リーダーシップが成立する条件1 ~衛生要因が棄損されることへの不安
No.5-2「衛生理論の活用」の項において述べたことですが、衛生要因とはそれが満たされているからといって積極的な執務態度を引き出すには至らないと考えられている要因です。しかし、反対にそれが失われた場合には意欲の減退に結びつきやすい要因でもあ... -
管理職の仕事実践術
No.5-3 リーダーシップはどこにあるのか?
リーダーシップを発揮する、という表現は、経営組織のみならず、様々な組織やグループの中で使われるものだと思います。頻繁に耳にする表現ではありますが、そもそも、リーダーシップとは何なのでしょうか。これまで、多くの経営学者などによってリーダ... -
管理職の仕事実践術
No.5-2 衛生理論の活用
No.5-1「働く人々の欲求」では、一般的な動機づけ要因を挙げましたが、厳密に動機づけ要因を考えてみる際に有効な考え方があります。それは、動機づけ研究として有名な、ハーズバーグの衛生理論です。同理論については、ウエブ上の様々なサイトにその内... -
管理職の仕事実践術
No.4-8 人事評価において心がけたいこと
春や秋は人事考課の時期、という企業が多いかと思います。人事考課の仕組みは会社によってまちまちですが、一般的には年に2回ほどの実施というケースが多いでしょう。年に2回だけの仕事、ということは、なかなか慣れない仕事であるとも言えます。私自身... -
管理職の仕事実践術
No.4-7 評価の三大項目
人事評価制度は様々な形態があり、組織の数だけその種類があると言ってもよろしいかと思います。伝統的には評価項目として「能力」、「意欲・態度」、「業績」の三項目を採用している組織が多く、現代においても三項目を評価対象としているケースが多い... -
管理職の仕事実践術
No.4-6 「育成」の前提 ー人事評価
人事管理においては、企業規模が小さい、あるいは、業歴が浅い企業ほど人事評価制度が未整備であることが多いようです。しかし、そうした企業においても、少なくとも「活用」や「処遇」は行われています。「活用」とは、どの人材にどの職務を割り当てる...