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No.5-3 リーダーシップはどこにあるのか?

 リーダーシップを発揮する、という表現は、経営組織のみならず、様々な組織やグループの中で使われるものだと思います。頻繁に耳にする表現ではありますが、そもそも、リーダーシップとは何なのでしょうか。これまで、多くの経営学者などによってリーダーシップの定義づけがなされてきました。それらの定義については、ネット上にたくさん掲載されていることでもありますので、ここで一つずつ取り上げることはしませんが、簡単に言えば、リーダーシップとは他人を目標達成へ向けて行動させる影響力のことです。
 ところで、リーダーシップはどこにあるのでしょうか? それを発揮する主体は、例えば職場においては上司なのだから、上司が能力として持っているものだということになるのかもしれません。つまり、上司の中にリーダーシップがあるのだという考え方です。しかし、ある人が仮に一定のリーダーシップ能力を持っていたとして、上司としてリーダーシップを発揮しているつもりでも、部下がそれに従わず、行動変容への影響が認められないとすれば、リーダーシップが発揮されたことにはならないでしょう。つまり、「リーダーシップ能力」は上司が持っているものですが、「リーダーシップ」そのものは他者との関係の中にあるということが言えます。

 では、リーダーシップが発揮される、つまり、リーダーシップが成立する条件とは何なのでしょう?他者との関係、すなわち、部下との関係の中にリーダーシップがあるとすれば、このことは部下の視点で考えて行くことが良さそうです。
 部下の視点でリーダーシップが成立する条件を考えると、

  1. 衛生要因が毀損されることへの不安がある
  2. 動機づけ要因が満たされることへの期待がある
  3. 上司の仕事上の能力が高い
  4. 上司が人間性に優れている

 ということが挙げられます。リーダーシップは、これらのいずれかを部下が認めた場合に成立することになります。

 次回以降、それぞれの条件についてもう少し深く考えてみることにします。(初回掲載 2010/06/26)

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