業務を効率化すべきという考え方は普遍的なものであると思いますが、そもそも、なぜ効率化を図る必要があるのでしょうか。
そこには、次のような理由が考えられます。
- 目標の達成可能性を高める
- 作業的職務にかかる時間を最小化し、創造的な仕事の時間を確保する
- コストを削減する
- ストレスを軽減する
- ワークライフバランスを保つ など
業務の成果をアウトプットとし、そのために必要な取組をインプットとしますと、次のような公式が成り立ちます。
アウトプット=インプット×生産性
企業や組織は、売上や利益、顧客満足度の高さなど、出来るだけ多くのアウトプットを得ようと活動しています。そのためにはインプットを多くすると同時に生産性(効率)を高めることが必要です。インプットは「量」として表すことができますし、効率は「質」であると言っても良いでしょう。「量」は、労働時間の長さのように測定しやすい反面、「質」は必ずしも見えやすいとは言えず評価しづらい面があります。働く側としてもそのことを半ば意識していますから、インプット(労働時間)が長いことはたくさん働いているという評価の獲得につながるであろうと考え、長時間労働が美徳のように認識されていたのです。しかし、これでは働く側が疲弊してしまう可能性が排除できません。かつては、長時間労働を忌避して離職していた社員がいたとしても、その穴埋めは比較的容易な時代がありましたが、人口が減少している今日の我が国では、代わりとなる人材を確保することがままならなくなってきました。つまり、インプットの大きさばかりを重視する組織には人が集まってこないと言うことです。
そこで、近年は、インプットの大きさはほどほどにして生産性を高めることが重視されるようになってきたのです。
上記の公式の両辺を生産性で割ると次のような公式になります。
インプット=アウトプット/生産性
インプットを減らすためには、アウトプットを小さくするか、生産性を高める(または、その双方を実現する)ことが必要です。
インプットは生み出すべきアウトプットのために必要な取り組み(=What)であり、効率は仕事の進め方(=How)であると表現することもできます。
では、Whatを少なくするためにはどうすべきでしょうか。(初回掲載 2017/06/30 補筆2023/03/28 一部修正2023/11/23)