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No.7-2 管理職の自己優越意識

 組織的な意思決定の有効性を高めるために必要となる一つ目の考え方は、自分の判断力が常に最も優れているのだという自己優越意識に陥らないようにすることです。例えば、実務的に優れた能力を持っている管理職の場合、その人から見れば部下の能力や知識は自分よりも劣っていると無意識のうちに考えがちです。しかし、意思決定を支える資源は実務的な能力や知識だけではありません。顧客などの、現場の状況に関する情報も意思決定を支える重要な資源ですし、どのような方向性を目指すかというものの考え方、つまり、価値観や視点のようなものも意思決定の資源であると言えます。一人の人間が持つことのできる知識や能力、情報、そして、価値観の幅には当然ながら限りがあります。それらの資源を補完し合うことが組織力の向上に結びつくわけです。ですから、自部門にある意思決定の資源をうまく使いこなすことが管理職の仕事なのであると強く認識する必要があります。

 また、自分の考えとは全く異なるような異質な意見に対しては、瞬間的に否定意識が働く場合が多いものですが、そうした意見にも特別な背景や、自分が思いもよらないような根拠があるのではないかと許容しようとする姿勢も大事だと思います。新規事業の立ち上げや、苦境を打開しなければならない様な場面では、異質なアイデアが飛躍をもたらすということがあり得るからです。

 組織にある意思決定資源をどんどん使っていきましょう。(初回掲載 2011/05/06)

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