「コンサルティング」にエンゲージメント向上支援プログラムを掲載しました

No.7-3 客観的な情報と正しい知識に基づいた議論を

 チームにおける議論では、事実や知識、推論を意識的に整理していくことが望ましい進め方です。例えば、現状はA商品の売上が低下している、多分需要が一巡したからだろう、だから今後はB商品に注力するのがよいのではないか、というように、推測ばかりに基づいた判断では正しい意思決定ができません。このようなケースでは、意思決定のための資源が不足していますので、購買者へのインタビューやアンケート調査などによって顧客ニーズの変化を把握するというように、事実関係の確認が必要です。さらには、競合他社の製品に関する知識の取得も必要かもしれません。何が事実で、どういう知識がこの場面では必要なのか、そして、結果的に今後どのようなことが推測できるのか、と言った整理が必要です。

 
ところで、組織の意思決定においては、メンバーの感情が結論に影響を与えることがしばしばあります。自分の好きな人が言った意見には進んで従いたいと思うが、嫌いな人の意見には従いたくないというものです。あるいは、議論を活発化させていくと、どうしても自分の意見が否定される場面も増えていきます。否定されれば人間は面白くありませんから、そうした感情が結論に少なからず影響するわけです。こうした、感情に基づく意思決定を避けるためにも、事実や知識に基づいて判断する事を強く意識することが有効なのです。(初回掲載 2011/05/16)

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