「コンサルティング」にエンゲージメント向上支援プログラムを掲載しました

No.2-7 統制 ~アウトプットによる統制とインプットによる統制

 アウトプットでの統制は、仕事が終了した時点(もしくは、ある程度進んだ時点)で行うわけですから、その時点で修正策を考えたとしてもそれは、現在の仕事に反映させることができません。ところが、インプットでの点検は、仕事をやりながら修正策を考えるわけですから、当然現在の仕事に反映させることができます。

 一例として、営業における新規契約の獲得について考えてみましょう。
 1ヶ月に5件の新規契約を獲得するという目標があるとします。この仕事について、アウトプットによる統制を行うと言うことは、月末(1ヶ月が終了した時点)になって何件契約が取れたかを点検することです。もし、4件しか成約できず目標が達成できなかった場合、そこで修正策を考えたとしても、既に1ヶ月が経過している以上、その月の仕事に修正案を反映させることはできません。反映させられるとすれば、翌月の活動と言うことになります。
 これに対して、インプットで点検する方法を考えてみましょう。ポイントは、「逆算」と「時間軸の分割」です。まず、5件の契約を取るために必要なインプットは何かを考えてみることです。例えば、これまでの経験則から、1件の契約を取るために、概ね20件程度の新規訪問が必要だとすれば、5件の新規契約のために必要な訪問件数、即ち、必要なインプットは、100件の新規訪問を行うことだと逆算できます。このインプットは1ヶ月の間に投入しなければならないわけですが、時間軸を少し分割して当てはめてみることが有効です。例えば1週間単位というようにです。1ヶ月を4週間だとしますと、1週間に必要なインプットは25件の新規訪問です。このインプットを1週間単位で点検するのです。金曜の夕方や翌週月曜の朝などのミーティングで行うのが良いでしょう。もし、ある部下の訪問件数が20件であったとすれば、インプットが5件足りなかったわけですから、この部下に対しては、今週は足りなかった5件を上乗せして30件訪問するように行動を修正させるわけです。前提条件が正しければ、結果的に1ヶ月のインプットとして100件の新規訪問ができたなら、アウトプットも5件の成約という結果になるはずです。つまり、インプットによる点検は、必要な修正行動を現在の仕事に反映させられるという利点があります。

(初回掲載 2014/08/04)

このページの内容