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No.2-2 業務割当において留意すべき事 ~仕事の質を高める割当

 部下に仕事を割り当てる際、あなたはどのような点に留意していますか?‐研修の中で受講者にこのような質問をすると、多くの方が共通して真っ先に挙げるのが、「部下の能力・適性を考慮する」というものです。「メンバー間の仕事のバランスを考慮する」というのがその次に多いのですが、他の要素が出てくることはあまりありません。ここでは、仕事の割当の際における留意点を考えていきたいと思います。
 ところで、なぜ、多くの方が「能力・適性」にこだわるのでしょうか?それは、一定の成果(質)を確保しつつ、納期に間に合わせることを優先的に考える人が多いからであると考えられます。確かに、部下にやらせてみたものの、仕事の出来映えが悪ければ製品・サービスの質の低下を招きますし、納期に遅れることも同様の結果となります。つまり、まずは(納期も含めた)仕事の質を確保するということが、割当の際の留意点を考えていく一つの切り口であるということです。
 仕事の質を確保するために、ほかに考えられることとして、「複数のメンバーで行うような仕事に関しては異質なメンバー構成にしてみる」、といったことが挙げられます。異質なメンバー構成ということは、例えば性別、年齢、キャリアなどにおいて異なる人同士を組み合わせるということです。なぜ、そのことが仕事の質を高めることにつながるのかというと、異質なメンバーというのは価値観が多様化していると考えられますから、メンバーは、できるだけ多くの価値観を満たそうと、仕事における努力程度が引き上げられることが期待できるためです。ただし、異質なメンバー構成というのはチームワークを維持しづらい側面もありますので、その点に関する配慮が必要になってきます。私見ですが、異質性を構成する要素において最も効果的に働くのは「性別」ではないかと思われます。つまり、男女の組み合わせで仕事をさせる、ということです。なぜかといえば、価値観の補完関係が最も適切に作用しやすい一方で、異性であることに起因した対立というのは、そう多くないのではないかと思われるからです。(あくまでも個人的な感覚です。)また、人間は本能的に異性に気に入られたいものであり、異性の前では努力程度を引き上げることが期待されます。私自身の職務経験や研修の中でのグループ実習などにおいても、女性が複数人いる方が良い成果が出ているという感覚があります。


 (初回掲載 2010/08/08)

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