仕事を部下に割り当てる際には、当然ながらコミュニケーションによって指示することになりますが、割り当てる仕事が当人にとってわかりやすく、達成可能性を見込むことができ、さらに、個人的利害を満たすものであれば、最少のコミュニケーションでよいかもしれません。しかし、そうでない場合には綿密なコミュニケーションが必要になってきます。わかりづらい、複雑な仕事であれば、それをわかりやすく表現しなければなりませんし、難易度の高い仕事であったり、本人の気の進まない仕事であったりすれば仕事の意義を説いて納得を引き出すような話し方をしなければなりません。仕事というのは、必ずしも常にやりがいに満ちたものであったり、本人の好む仕事であったりするわけではありません。中には地味な仕事や、単純労働に近い種類のものもあるでしょう。しかし、そうした仕事も組織にとっては必要なものであり、その仕事の意義というものがあるはずです。一見つまらなさそうな仕事であっても、その本来的な意義をきちんと部下に伝えることが必要です。また、達成に困難を伴う場合は特にそうなのですが、新たな仕事に取り組ませる場合は、なぜ新たな取り組みを開始しなければならないのか、その理由を語る必要があります。つまり、「ノウハウ」もさることながら最も重要なのは「ノウホワイ」です。仕事の意義や、それをやらねばならない理由を理解できなければ、部下にとって上司の指示は受容しがたいものになってしまいます。
理由を語るー。部下に対して、新しい仕事や困難な仕事を割り当てる際には必ずやっていただきたいと思います。
(初回掲載 2009/11/28 補筆2023/04/10)