地方公共団体等、公的セクターにおける人事評価制度の構築・運用・改善を支援します。
地方公共団体における人事評価制度の問題点の例と対処策
目標管理制度上の問題点
目標管理シートの記載が曖昧
目標管理制度の趣旨が職員に浸透しておらず、書き方についても理解されていないと思われるケースが少なくありません。一般的に目標管理シートの構成は、アウトプットとして、「何を」、「どうする」、「どの程度」、「いつまでに」、そしてインプットとして「どうやって」、「いつ」といった内容になっていると思います。アウトプットは目標そのものであり、インプットはそれを実現するために必要な取り組みを指します。目標管理シートにおいてこれらの構成要素が網羅されていないのであれば、まずは、目標管理シート自体を改訂する必要があるでしょう。
また、目標管理シートが要件を満たしていても、職員の側の理解不足が原因であるケースも多くあると考えられます。これまで、自治体職員によって実際に書かれた数多くの目標管理シートに目を通してきましたが、実に曖昧な目標設定になってしまっているケースが多いのが実態です。さすがに「何を」は大抵の職員は記載できますが、「どの程度」については、定量化できる目標であるにもかかわらず数値化を避けていたり、「どうやって」については心がまえを書いているだけで、具体的な活動が想起できない記述であったりします。また、物事を成し遂げるにおいてその方法は通常複数あると考えられますが、ひとつしか記載していない職員も多いです。
アウトプットとインプットの構成要素について漏れなく、一定の作法に従って記載することを職員研修にて伝えていくことが必要です。”作法”というのは例えば、取り組みを複数あげて、箇条書きにしておくなどと言ったことです。そうすれば、本人としても整理しやすいことに加え、それに目を通す上司としても部下の取り組み内容を把握しやすくなる、つまり、マネジメントに反映させやすくなります。全職員を対象に研修を行うことが難しい場合は、少なくとも目標管理マニュアルを作成しておくべきです。
円滑な目標管理制度の運用は人事管理制度上の側面にとどまらず、組織目標の達成にもプラスの影響をもたらしますので、問題点を確認してみましょう。
- 目標管理シートにおける構成内容の見直し
- 目標管理マニュアルの整備
- 目標管理研修を全職員を対象として実施
無難な目標設定が多い
難易度の高い目標設定をしたり、「どの程度」を数値化してしまうと、達成できなかった時に評価が低くなるであろうことを気にする、といったことは誰にでもありえそうなことです。実際、これを避けるために無難な目標設定をしていると思われるケースはかなり見られます。そして、無難なレベルの目標設定であれば、本来難易度は低くなるはずなのですが、必ずしもそうはなっていないことが多かったりします。仕事上の目標は努力すれば達成できるものというのが普遍的な考え方であろうと思われます。努力しなくても達成できそうな無難な目標であれば、その難易度は低いのだという認識を持たせることが必要です。また、挑戦的な目標を設定するのであれば、意欲態度評価において積極性を高めに評価することもできるでしょう(もちろん、単に目標を設定するだけでなく、その目標に対して意欲的に取り組むことが前提条件ですが)。なによりも、難しい目標設定をして達成できなかった場合に罰せられる(低い評価になる、賞与区分を下げられるなど)というのでは心理的安全性が低いと言うことになってしまいます。したがいまして、これは、それぞれの組織における人事管理制度上の思想にもよるのですが、職位が低い内は目標達成を賞与や昇給などの処遇に過度に反映させず、むしろ、チャレンジングに責任感をもって職務に取り組んでいるか、つまり、若い内は結果よりもプロセスを重視するという考え方も認められるべきではないでしょうか。
なお、自治体によっては、職員の目標管理シートをホームページなどで公開しているケースも散見されます。組織外まで公開するかどうかは別として、組織内部で公開し、どの部門の誰がどのような目標設定をしているのか共有できるようにしておけば、職員相互において啓発効果や規律牽制効果が生まれるかもしれません
- 目標管理研修を全職員を対象として実施
- 職位を考慮した処遇反映制度へ改訂
- 目標管理シートの組織内共有
適切な評価反映のための条件が満たされていない
目標管理制度においては、目標ごとの難易度設定、ウエイト設定がルールとして決められていれば良いのですが、時にそれらを欠いた設計になっているケースがあります。当然のことながら仕事には難易度の高いものもあれば低いものもあります。難易度の高い目標を達成した時と、難易度が低い目標を達成したときの評価が同じ区分だとすれば、職員から見ると納得感がありません。やはり、難易度の高い目標が達成された場合であれば高い評価区分に位置づけることが必要です。このため、少なくとも3段階程度のレベルで難易度を設定しておきたいところです。
難易度の決め方もルール化とその周知が必要です。難易度を構成する要素はいくつか考えられます。その目標に取り組むに当たって必要となる知識や情報の程度、時間的負荷の加わり、緊急度などです。そしてそれらは個人にとって難易度が高いかどうかではなく、当該職位(級、役職)として客観的に見る必要があります。さらに、本人の意向のみで難易度を決定するのではなく、最終的には上司が認定することが必要でしょう。
また、目標設定はひとつのみではなく、複数個設定させている組織が多いと思われますが、その場合にはウエイト設定しておくことが必要です。このウエイトとは、複数個の目標それぞれに必要となる時間の相対的なウエイトのことです。ウエイトは前述した難易度に含めてしまうこともできますが、独立して設定させれば、よりきめ細かく業績評価へ反映させることが可能になります。
- 難易度設定ルールの整備
- 複数目標間のウエイト設定
評価結果が中心に偏っているなど、人事評価そのものの不備
中心化傾向や寛大化傾向が見られる
いわゆる評価エラーには様々なものがありますが、自治体の場合であれば、中心化傾向と寛大化傾向が強いのが特徴であるように思われます。そして、規模の小さな自治体ほどその傾向が強まるようです。確かに、地方の町村役場で組織規模が小さい場合であれば、職員間の軋轢を避けて業績や職員の成長よりも職場の人間関係を優先したいといったことはわからなくはありません。しかし、言うまでもなく地方公共団体を取り巻く環境変化は激烈であり、組織も職員も今まで以上に成長し続けなければなりません。うわべ上の人間関係を優先させるのではなく、人事管理では業績志向、成長志向の考え方が不可欠です。管理職には意識改革が求められます。低評価とすべきところを中間の評価をつけると言うことは人材育成を阻害することになりかねません。言い方を変えれば、評価エラーを起こす管理職は人材管理能力がないということでもありますから、それ自体を管理職の評価に反映させることも必要です。そのためには、組織の中でも上級幹部(場合によっては理事者や首長)が評価の仕方をしっかり理解することが前提となります。
したがいまして、人事評価研修はもとより、いわゆるマネジメントやリーダーシップを中心とした管理職研修をしっかり行うことが重要です。人事評価は多くても年に2回程度しか行わない仕事ですから、慣れるということがあまりないと言えます。そのため、人事評価研修は一度きりではなく、訓練として繰り返し受講させることが望まれます。そして、ケーススタディによる人事評価シミュレーションをできるだけ数多く行い、グループ討議を通じて考え方をすり合わせることが有効です。なお、組織規模が小さいと言うことは、研修の一人当たり受講回数を確保しやすい側面もあると言えます。
評価基準が曖昧である
人事評価基準は職務に求められる能力要素や姿勢態度要素などを、極力、MECE(漏れなく重なりなく)の考え方に基づいて、網羅していくことが望まれます。とはいえども、似たような意味を持っていそうな評価要素が並ぶことはよく見られることです。(「業務管理力」←→「問題解決力」、「積極性」←→「責任性」など。)したがいまして、それぞれの評価要素が何を表しているのか、定義と複数の着眼点を明確に示すことが必要です。とは言え、それらを表現する文章の量が多すぎると評価要素の把握に時間がかかりますし、少なすぎると理解不足を招きます。適度な表現になっているか一度見直してみてはいかがでしょうか。
評価者にとって人事評価の負担が重い
人事評価という仕事に多くの時間を取られるがために、評価の手抜きが起きてしまうこともあるかもしれません。人事評価の負担が大きくなる原因はいくつか考えられます。
- 評価要素の数が多すぎる
- 評価対象となる部下の数が多すぎる
- 評価要素ごとにコメント記載するような設計になっている
1.については、一概にいくつまでが妥当とは言えませんが、同一区分、例えば能力評価項目で10要素もあるとちょっと多いかという気がします。重要な要素に絞り込むか、併合させるかを検討してみましょう。
2.については、人事評価というよりも部門マネジメント上の問題でもあるわけですので、改めて部門編成の仕方から見直してみる必要があるのかもしれません。また、一般的に人事評価者となるのは、一次評価者として課長職というケースがよく見られますが、課長補佐がいるような組織編成なのであれば評価者と被評価者の対応関係を一段落として、課長補佐にやってもらうことで評価者の負担は分散されます。この対応関係はさらに落として、係員の評価は係長がおこなうようにすれば、負担もさらに分散されることになりますし、命令一元化といった組織原則の観点から理にかなっていると言えます。
3.の要求する細かいコメントは人材育成上好ましいことではありますが、全要素についてコメントさせるのではなく、重点的に部分記載することを認める、または、個別要素ごとのコメント欄を廃止して、総合的なコメントのみにするのでも良いように思えます。
- 部下への指導育成を管理職(評価者)の評価要素とすることの検討
- 人事評価基準の見直し
- 評価者と被評価者の対応関係の見直し
- 人事評価シートのコメント欄の見直し
人事面接制度が機能していない
管理職が人事面接をやっていないか、やっていても極めて短時間で済ませてしまっているという話も良く聞きます。原因として考えられるのは・・・
- 対象となる部下の数が多すぎて評価者側の負担感が大きい
- 評価者側のリーダーシップ不足
- 曖昧な制度設計
1.については、前述した管理職の人事評価に対する負担感同様、部下の数が多いとこのようなことが起きてしまいがちです。対策としては、同様に評価者と被評価者の対応関係を一段か二段落としてみるのがひとつの方法です。
2.についてはあくまでも推測なのですが、実はこれが意外に多いのではないかと思われます。人事面接の中で部下職員から反発されることを過度に恐れたり、不平不満を聞かされたくないとか、うまく納得させられる自信がない、などといったことはいかにもあり得そうです。この点については、一朝一夕に解決できることではありませんが、研修などを通じて人事面接の仕方、対話の進め方、リーダーシップについての理解を促すことができればいくらかこの問題は払拭できるかもしれません。
多くの人はリーダーシップとは、部下の上に立って部下を引っ張っていくイメージを持っているようですが、実は、下に廻って部下を支える、といったリーダーシップの考え方(=サーバント・リーダーシップ)もあります。研修の中でこうしたリーダーシップの有り様を伝えると、「楽になった」、「自分にもできそう」と感じる方は多いようです。
また、人事面接マニュアルについても用意しておきたいところです。
3.では、人事面接が義務づけられたものなのかどうか規定上曖昧であったり、被評価者が望まない場合には実施しなくとも良いなどという少々不可解なルールになっていたりということです。人事評価の目的のひとつは人材育成を促進することにあります。人事面接はその重要な手段のひとつであるわけですから、その実施は当然義務づけられるべきでしょうし、被評価者が望むかどうかも配慮に入れる必要はないはずです。
- 評価者と被評価者の対応関係の見直し
- 人事評価研修に人事面接の進め方をカリキュラムとして取り入れる
- 人事面接マニュアルの整備
- リーダーシップ研修の実施
- 人事評価規程の見直し
処遇反映制度の不備
処遇反映制度の問題として上げられるのは次のような点です。
- どのような場合に高い処遇を与えるのか、もしくは、低い処遇とするのか人事管理コンセプトが不明瞭である
- 上位の職位と下位の職位において一律の考え方で処遇設計している
- 処遇の高低を分ける線引きが厳しすぎたり甘すぎたりする
人事評価の結果をどのように処遇反映させることが望ましいのか、これは制度設計における技術的な問題も含めて地方公共団体の人事担当者としては判断が難しい事項のひとつであると思われます。ましてや、人事部門以外の職員にとってはなおさらのことです。人事管理制度はその組織の思想ですから、どのような制度が望ましいと一概に言い切れるものではありません。現実には多くの地方公共団体において国家公務員の仕組みを流用しているのではないでしょうか。その設計思想を理解し、かつ、その思想が自組織にもマッチするものであるとの判断に基づいているのであれば良いのですが、実際には「国のやることに間違いはないだろう」という前提で鵜呑みにしてしまっているとしか思えないケースがほとんどです。
まずは、自組織としての人事管理コンセプト(=人事思想)を明確に定めて、人事管理上、依拠すべき理念を明らかにすることが最初に行われるべきです。そして、そのコンセプトに合致するしくみづくりをすればよいのですが、処遇制度の設計においては、職員の納得感にも配慮して、職員の意識調査も合わせて行うことが望まれます。コンセプトというのは、処遇反映の場合で言えば、その対象となる賞与(勤勉手当)、昇給、昇格(降格)、昇任(降任)等に対して、能力評価、姿勢態度評価、業績評価の結果をどのようにどの程度結びつけるかという考え方のことです。あるいは、処遇反映をどの程度の厳しさをもってするのかと言うこともあります。例えば、目標を90%程度達成していれば標準の評価とすると言う考えもあれば、80%まで許容してみたり、反対に、100%を少しでも下回れば下位評価に落とすなど、それぞれの組織によって考え方はまちまちです。
ちなみに、当社でこれまで行った職員の意識調査では、例えば、賞与への反映は「業績」や「能力」よりも「姿勢態度」を重視すべきと言う意見が多数派となるケースが多く見られます。したがって、職員の納得感を考慮するという意味では、国家公務員のように業績評価と能力評価の2項目ではなく、これらに姿勢態度評価を加えた3項目とすることが望ましいように思われます。つまり、若い内は結果を恐れずに挑戦的に仕事をすることを求め、管理職世代ではあくまでも結果を求めるといったようなコンセプトであれば、勤勉手当の成績率について、職位が低い内は姿勢態度の比率を高め、管理職では業績評価の比率を高めるという方法が考えられます。
いずれにせよ、長期的な観点から人事管理コンセプトを明確にし、可能であれば職員の意識調査も行った上で処遇反映制度を再検討することが望ましいと言えるでしょう。なお、処遇反映しないという選択肢も考えられそうですが、「人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用するものとする」という地方公務員法の建て付け上、そうもいきません。
人事評価制度構築・改善コンサルティング
人事評価制度構築支援プログラム
新たに人事評価制度を構築する場合の支援プログラムです。貴団体の人事管理方針を踏まえ、人事管理コンセプトを明確にした上で、組織マネジメントの基幹となりうる評価制度を確立すると共に職員の納得感の高い仕組みづくりを目指し、組織の実態に即した運用しやすい制度を設計します。
支援項目
理事者や人事部門から組織ビジョンをヒアリングするほか、人材育成基本方針の内容を確認し、求められる職員像を定義すると共に、望ましい人づくり・組織づくりのための道筋を明らかにしていきます。可能な場合には職員の意識調査アンケートを行うことがより望ましいと言えるでしょう。アンケートの内容は、どのような職員像が望ましいと考えるか、具体的にどのような能力、姿勢、行動が求められると考えるか、処遇はどのようにあるべきか、などと言った内容です。
人事管理コンセプトは人事管理の指針であり、各制度設計における考え方の基礎となるものです。
職群別・職種別・職位別(級別)に具体的な人事評価要素と評価基準を設計します。評価項目(能力、意欲態度、行動、業績)とそれらを細分化した評価要素の定義や着眼点を明確にします。また、評価段階、要素間ウエイトなどを決めていきます。会計年度任用職員についても含めて設計すると良いでしょう。
業績(成果)評価のベースとなる目標管理制度を設計します。どのような「目標」が求められるのかを明らかにした上で、設定方法、目標数、ウエイト設定方法、困難度設定方法、評価段階の決定方式などを決定します。
人事評価の結果をどのように処遇反映をするのか、勤勉手当、昇給・降給、昇格・降格、昇任・降任等の決定方法を設計します。ここでは、上位者と下位者において一律の反映をするのか、反映のさせ方を変えるのか、人事管理コンセプトに基づいて反映方法を決定します。
ステップ4までに設計した事項以外の詳細な運用ルールを定めた「人事評価実施要領」を作成します。これは、人事評価制度そのものとそれに付随するサブシステムの全てをまとめたルールブックのようなものです。公的セクターでは、「人事評価規程」も作成する必要がありますが、「規程」は固い文章が中心で少々わかりづらい面がありますので、人事管理についての基本的な考え方から運用の方法までを平易な文章で表現し、図解も含めて職員が理解しやすい「人事評価実施要領」としてとりまとめます。
円滑に制度運用が行われるよう、前述の「人事評価実施要領」以外に、さらに具体的な方法を記述した「人事評価マニュアル」、「人事面接マニュアル」、「目標設定マニュアル」を作成します。
「人事評価実施要領」や各種マニュアルを配付しただけで職員間に制度理解を促すことは難しいでしょう。制度のねらいと運用の方法を担当部門、および、コンサルタントから解説します。2時間程度で実施するのが一般的です。
なお、説明会は人事評価者とそれ以外の被評価者に分けて実施し、評価者への説明においては、制度導入後の管理職としての役割についても伝えておく必要があります。
目標管理制度を導入する場合、人事評価制度導入と同時に期初において全職員が目標を設定することになります。前述した説明会では説明の範囲が広範に及ぶことから、目標管理の詳細な進め方までを取り入れてしまいますと消化不良になりかねませんので、別途、「目標管理研修」を実施することが必要となります。できれば、演習も含めて行うことが望ましいことから、1回当たり6~7時間を確保したいところですが、職員数が多いことなどにより予算的な制約がある場合3時間程度の簡略版でも良いでしょう。導入から2年程度経過した段階でさらにフォローアップ研修を行うという方法も効果的であると言えます。
一方、「人事評価研修」は必ずしも設計した年度内に行う必要はありません。なぜならば、実際に人事評価を行うのは早くとも、導入年の10月頃になることが一般的だからです。あまり早く研修を実施しても、学んだことを忘れてしまいかねませんので、年度当初に制度をスタートさせるとすれば、導入年、つまり、制度設計を行った年の翌年度の8~9月頃に行うのが良いでしょう。もちろん、人事評価においては、日常的に部下の観察と指導を行うことが重要ですので、こうした役割や心がまえについては、導入前の説明会において伝えておくが前提です。
人事評価制度改善診断プログラム
すでに人事評価制度を構築済みであるが、運用等に支障のある場合の改善支援プログラムです。現行の人事評価制度と運用状況について分析・診断し、改善策を提案します。
支援項目
- 人事管理各種制度の分析
- 人事評価基準
- 目標管理制度
- 人事面接制度
- 運用ルール ほか
- 人事評価制度運用状況の分析
- 業績評価結果、姿勢評価結果、能力評価結果の分析(全体、職位別、部門別)
- 評語分布状況分析
- 評価エラー分析
- 目標達成度の自己評価と一次評価一致度の分析
- 処遇反映制度の分析
- 改善策の明確化
処遇反映制度構築支援プログラム
人事評価制度を構築済みであるものの、明確な処遇反映の仕組みができていない組織向けの支援プログラムです。
給与、賞与、昇格、昇進等の処遇への反映のしくみについて、職員の納得性に配慮した合理的な仕組みの構築を支援します。
- 処遇に対する職員意識についての調査分析
- 勤勉手当支給基準設計
- 昇給(降給)制度設計
- 昇格制度設計
- 昇任(降任)制度設計
- 運用要領作成
- 職員説明会の実施
人事評価関連研修等への講師派遣
優れた人事管理制度を構築できても、職員の理解を浸透させなければ組織マネジメントの有効化は限定的となり、やがて、制度の形骸化へと向かうことになります。
評価を行う側の職員はもちろんのこと、評価を受ける側の職員も制度の趣旨と内容を理解し、主体的な職務姿勢へと変容させていく必要があります。
人事評価者研修
概要
人事評価者として評価の進め方を学ぶだけでなく、人事評価の不適切なバラツキを防止するためには評価者間の考え方をすりあわせて行くことが重要です。本研修では多様な事例研究により評価シミュレーションを行い評価者間の考え方を相互に検証します。全受講者の評価結果は、受講者のスマートフォンを利用した集計システムの活用により、リアルタイムでスライドに表示されるため、効率的な意見共有が可能となります。
また、目標設定と人事面談の方法についても理解を深めます。
カリキュラム
- 人事評価と組織マネジメント
- 人事評価制度のねらい
- 管理職の役割とは
- マネジメント・サイクルを支える人事管理のしくみ
- 人事評価の実際
- 人事評価のすすめ方
- 人事評価演習ⅰ ~能力評価と姿勢態度評価(個人演習、グループ・ディスカッション)
- 評価分野別のポイント
- 人事評価演習ⅱ ~目標困難度の判定と業績評価(個人演習、グループ・ディスカッション)
- 人事評価演習ⅲ ~総合演習(個人演習、グループ・ディスカッション)
- 評価者が留意すべき事項
- 目標管理
- 目標管理制度の概要
- 目標設定の基本ステップ
- アウトプットを明確にする
- インプットを明確にする
- 目標設定の例
- ケース・スタディ ~目標設定の妥当性判断(個人演習、グループ・ディスカッション)
- 人事面談の進め方
- 人事面談制度の効用
- 人事面談の種類と概要
- 人事面談の内容と留意点
- 人事面談に有効な対話スキル
所要時間
7~14時間(簡略3時間)
被評価者研修
概要
人事評価のねらいとしくみ、目標設定の方法を理解します。
カリキュラム
- 人事評価制度のねらい
- 人事評価のしくみ
- 各種評価基準の理解
- 目標設定のすすめ方(グループ・ワーク)
- 職務管理の考え方
所要時間
7時間(簡略3時間)
目標管理研修
概要
適切な目標設定とその実行可能性を高めるための全職員向けプログラムです。人事評価に結びつけるのみならず、組織としての業績向上に寄与しうる目標設定の方法を学びます。
また、成果の上がる職務管理のあり方や、業務改善の方法についても学びます。
- 目標管理制度の概要
- 目標管理制度とは
- 目標管理制度の考え方
- 目標のブレイクダウン
- マネジメント・サイクルと人事管理制度
- マネジメント・サイクルによる組織運営
- マネジメント・サイクルを支える人事管理のしくみ
- 目標設定の基本ステップ
- アウトプット(何を、どの程度、いつまでに)を明確にする
- 「課題設定」と「問題解決」
- 事業環境、担当職務の事象からボトムアップで考える目標設定の視点
- 業務改善における3つの着眼点
- 上位目標・方針への対応(トップダウン)
- アウトプットの設定における留意点
- インプット(どうやって、いつ)を明確にする
- ロジック・ツリーによる演繹的アプローチ
- WBSによる取り組み方策の検討(グループ・ワーク)
- インプットの設定における留意点
- 設定目標の要件
- 職務の主要部分に関わる目標とは?
- 目標の具体化と階層の対応関係
- 目標設定の例(グループ討議)
- 自己の設定目標のふりかえり
所要時間
7時間(簡略3時間)