ラウンドアバウト(UK)

 イギリスでのドライブには日本では味わえない楽しさがたくさんあり、私は大好きなのですが、楽しさのひとつとして、ラウンドアバウトの走行があげられます。日本で一般的に言われるロータリーは、日本国内では馴染みがなく、不慣れであるせいか敬遠する人が多いようです。しかし、イギリス(に限らずヨーロッパの多く)の場合、町の中心地を外れると、ほぼ十字路はなく、ほとんどはラウンドアバウトです。信号のあるラウンドアバウトもありますが、信号のないところがほとんどです。サークル内への進入時は、右から来る車がなければ停止せずに入っていけます。郊外を運転する場合ですと、渋滞時を除けば、ほとんど停車することなく目的地に着くことができます。しかも、一般道の制限速度は、住宅のない地域であれば時速60マイル(96㎞/h)から50マイル(80㎞/h)ですし、住宅地でも時速40マイル(64㎞/h)というところは珍しくありません(高速道路の最高制限速度は時速70マイル)。速い速度でほとんど停まることなく走りますので、日本国内の感覚よりもはるかに早く目的地に到着できます。結果的に燃費も良くなります。一般道での車の運転において、日本国内で最も時間当たりの移動距離を長く取れるのは、おそらく北海道であろうと思いますが、その北海道よりも移動効率ははるかに高いと言って良いでしょう。日本の場合、一般道の制限速度は郊外でも基本的に時速60㎞ですし、通行のほとんどない交差点での信号待ちも数多くあります。

 日本の労働生産性の低さが指摘されて久しいですが、先進諸国に比して改善の進展は遅いようです。非効率の原因には様々なことが考えられますが、一因には移動効率の低さも上げられるのではないでしょうか。人の移動やモノの運搬は経済活動における大きな要素ですが、社会インフラの非効率性が我が国の生産性を低めている面は否定できないように感じます。

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