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 管理職の仕事実践術
 1.組織を理解する

(3)組織原則と今日的解釈〜A権限と責任一致の原則(2010/03/06)

 
職務遂行において、大きな権限が与えられながら、責任はさほど求められないとなれば、権限の乱用や無責任な結果を招くかもしれません。反対に、責任ばかりが求められて権限がほとんどない、というのでは意欲の減退に結びついてしまうでしょう。したがって、職務遂行上与えられている権限と求められる責任は一致していなくてはならず、部下に仕事を割り当てる際にはこのことを留意しなければならない、というのがこの表題の原則です。とまあ、簡単に説明することも出来ますし、そりゃそうだろうというのが大方の見方でしょう。しかし、この原則、突き詰めていくと結構奥深いのです。「権限」とか「責任」などという言葉はよく使われる言葉ではありますが、そもそもどういう意味なのでしょうか?

 「権限」とは、人材、設備、資金などの経営資源や、発注先などの外部ネットワークを自らの意思において使うことが出来る裁量の度合いと、仕事のすすめ方を自ら決めることが出来る程度のことです。では、「責任」とはなんでしょう?「責任」に関する記述として良く目にするのは、目標の達成に向かって業務をやり遂げること、というものです。しかし、これは「業務遂行責任」、つまり、「義務」について説明しているに過ぎません。実際には、もう一つ、「結果責任」というものがあります。目標を達成できなかった場合に責任を負うということです(具体的には、人事考課を通じて賞与が抑制される、給与が上がりにくくなる、他部署に異動させられる、などということが考えられます)。「責任」には、「遂行責任」と「結果責任」の二つがあるわけですね。ですから、「権限」、「義務」、「責任」が等しくなるように部下に仕事を割り当てなければならないという「三面等価の原則」の方がより正確な表現であるように思えます。そのことは置いておくとして、ここでは果たして「権限」と「責任」は、本当に一致していなくてはならないのかということを考えてみたいと思います。
 
 「権限委譲」という言葉はマネジメントの学習をしていく上で良く出てくるキーワードの一つです。一方、「責任委譲」という言葉については一般的にはあまり使われていないと思います(「責任委譲論」を唱えた学者もいましたが)。部下が仕事を進めていく上での権限を委譲することはあっても、結果責任のすべてを部下に押しつけるというわけにはいかないでしょう。当然、上司としても結果責任を管理責任と共に負わねばなりません。ですから、権限の委譲と共に一定の責任を求めることはあっても、それは、あくまでも一定の範囲に留まることになるのです。部下にとっては、権限>責任ということですね。上司としては、権限を委譲して一定範囲の責任を負うわけですから、権限<責任ということになります。ですから、厳密に言えば、個人の職掌に焦点を合わせて考える限りにおいて、権限と責任が一致していてはいけないということになります。
 権限と責任一致の原則について誤った解釈をしてはなりません。権限を委譲したのだから、責任もすべて部下に負わせるというわけにはいかないのです。

 ところで、根本的な問題として、なぜ権限委譲をしなければならないのかということについても明確にする必要があります。権限委譲が推奨されるのは、そのことにメリットがあるからです。
 どのようなメリットがあるのか、次回整理したいと思います。


 

                                

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